相続に関係する法律の移り変わり

注意:2019年9月23日現在において投稿後大きく変化しています。とくに、民法の債権法、相続法においては大幅な改正が行われました。
したがいまして、この記事の記載は「平成25年9月5日以後開始の相続に適用」までが反映されていますが、その後の変更は反映されていません。
その後の改正履歴につきましては適当な書籍などをご参照ください。

 相続に関する法律は幾度となく改正されています。そのため,被相続人(財産を残した人)がいつ亡くなったのか,つまり,いつ相続が開始したのかによって,どの相続に関する法律が適用になるかが変わったきます。

 前回お話しをした「戦後の法定相続分の移り変わり」の続きです。明治以降相続に関する法律がどのように変化してきたかを眺めてみようと思います。

Contents

1.明治から第二次大戦(明治から昭和)

明治31年7月15日以前開始の相続

 「華士族家督相続法」(明治6年太政官布告第28号・第263号),「旧々民法」(明治23年法律第98号未施行廃止),当時の慣行などを使用
  ①死亡,隠居,入夫婚姻のより家督相続
  ②戸主以外は死亡により遺産相続

明治31年7月16日以降昭和22年5月2日以前開始の相続

 「旧民法」(明治31年法律第9号)
  明治31年7月16日から昭和22年5月2日までの間適用
  ①死亡,隠居,入夫婚姻のより家督相続
  ②戸主以外は死亡により遺産相続

2.第二次大戦後(昭和から平成まで)

昭和22年5月3日以後開始の相続に適用

 「日本国憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律」(昭和22年法律第74号)
  昭和22年5月3日から昭和22年12月31日までの間適用
  ①平成23年の新民法改正までの経過措置

昭和23年1月1日以後開始の相続に適用

 「新民法」(昭和22年法律第222号)
  昭和23年1月1日から昭和37年6月30日までの間適用
  ①家督相続の廃止。死亡による遺産相続への一本化
  ②配偶者相続権の強化
  ③長子単独相続制から諸子均分相続制へ
  ④祭祀財産の相続財産からの分離

昭和37年7月1日以後開始の相続に適用

 「新民法」(昭和37年法律第40号)
  昭和37年7月1日から昭和55年12月31日までの間適用
  ①特別失踪の期間短縮(3年から1年へ)、同時死亡の推定の新設
  ②相続放棄を代襲原因から排除、再代襲相続を明記
  ③同時存在の原則(888条)の廃止
  ④相続権を直系卑属から子に変更(孫以下は代襲相続)
  ⑤限定承認・放棄の取消方法の明記
  ⑥特別縁故者制度の新設

昭和56年1月1日以後開始の相続に適用

 「新民法」(昭和55年法律第51号)
  昭和56年1月1日から平成25年9月4日までの間適用
  ①配偶者相続分の引き上げ
  ②兄弟姉妹の代襲相続の制限(再代襲の廃止)
  ③寄与分制度の新設(904条の2)
  ④遺産分割基準の明確化(年少者や心身障害者への配慮)
  ⑤遺留分割合の変更(配偶者相続分の引き上げに連動)

平成25年9月5日以後開始の相続に適用

 「新民法」(平成25年法律第94号)
  平成25年9月15日以降適用
  ①嫡出子と非嫡出子の相続割合が均等化
  ②平成23年7月1日以降の最高裁判決の実質上拘束力に注意

その後の改正は反映されていませんのでご注意ください。

 利用上の注意
  いうまでもありませんが,それぞれの改正の特徴につきましては元の法律でご確認ください。 なお,改正の特徴につきまして下記のサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
 http://www2.odn.ne.jp/~cjj30630/sozokhou-kaisei.htm(リンク先の都合によりリンク切れになっています)

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投稿者プロフィール

神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
山梨県甲府市の特定行政書士。守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れることはありませんので,安心してご相談ください。幅広い範囲のお困りごとに対応しています。お気軽にお問い合わせください。遺言書作成,相続手続の相談,官公署への許認可の相談・申請手続き代理,任意後見・法定後見のご相談,ご契約についてのご相談など。

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