昔から妻の相続分が半分だったわけではありません(戦後の法定相続分の移り変わり)

 結婚をしていない男女から生まれた子供(非嫡出子)の法定相続分が見直され,結婚をしている男女から生まれた子供(嫡出子)と同じ割合になったことは,新聞などで報道されご存じの方も多いと思います。たとえば,夫の不倫の結果,妻以外の女性から生まれた子(非嫡出子)の夫の財産についての相続分は,法律の改正前(平成25年9月4日以前)は夫婦間から生まれた子(嫡出子)の半分しかありませんでした。半分というのはおかしいのという裁判所の判断を受けて,同じ額を受け取れるように法律が改正されました。
 
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 今回は,戦後の法定相続分の移り変わりを概観してみたいと思います。遺産を残した人(被相続人)の死亡した日がいつかによって,相続人の法定相続分は違ってきます。
 
1.嫡出子と非嫡出子の相続割合
(1)平成25年9月5日以降
 先に見てきたとおり,嫡出子と非嫡出子の相続割合は同額となります。
 
(2)平成25年9月4日から平成13年7月1日
 ⅰ すでに遺産分割協議が完了しているもの
  すでになされた遺産分割協議どおりとしします。
 ⅱ これから遺産分協議が確定するもの
  嫡出子と非嫡出子の相続割合は同額となります。
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 (3)平成13年6月30日から平成23年1月1日
  非嫡出子の相続割合は嫡出子の半分
 
2.配偶者の相続割合
 
(1)平成56年1月1日以降
 ⅰ 妻と子    妻が相続財産の半分
 ⅱ 妻と直系尊属 妻が三分の2
 ⅲ 妻と兄弟姉  妻が三分の4
 
(2)平成55年12月31日から昭和23年1月1日
 ⅰ 妻と子    妻が三分の一
 ⅱ 妻と直系尊属 妻が半分
 ⅲ 妻と兄弟姉妹 妻が三分の二
 
3.まとめ
 その時代の家族観を反映して,現在の民法の相続割合も変化をしてきています。最近では,嫁の介護への貢献を評価する方法について議論がされています。
 
参考
 使用した図表は法務省のものです。

 http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00143.htm

                                    神宮司行政書士事務所 055-251-3962 090-2164-7028

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投稿者プロフィール

神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
山梨県甲府市の特定行政書士。守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れることはありませんので,安心してご相談ください。幅広い範囲のお困りごとに対応しています。お気軽にお問い合わせください。遺言書作成,相続手続の相談,官公署への許認可の相談・申請手続き代理,任意後見・法定後見のご相談,ご契約についてのご相談など。

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