法定後見を受けることによる社会生活上の不利益
昨日(平成25年3月18日)成年被後見人に選挙権を与えるように公職選挙法を改正する方針を閣議決定をしたようです。その前日の東京地方裁判所の違憲判決を受けての政府の決定でした。
現時点で,法定後見の審判を受けることによる本人の社会生活上の不利益を整理してみようと思います。
成年被後見人,被保佐人,被補助人の類型によって違います。以下に例示してみます。
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1.被補助人については制限はありません。
2.成年被後見人のみの制限については以下のようなものがあります。
(1)選挙権・被選挙権の喪失(公職選挙法11条)
被保佐人,被補助人は選挙権,被選挙権ともにあります。
(2)印鑑登録ができなくなります。
被保佐人に,被補助人は影響を受けません。
3.成年被後見人・被保佐人が制限されるものは以下のようなものです。
(1)株式会社の取締役,監査役,執行役の地位を喪失
(2)一般社団法人の理事・監事及び一般財団法人の評議員の地位を喪失
(3)公務員の資格の喪失
(4)国家資格などの喪失
行政書士,弁護士,司法書士。医師,薬剤師。建築士。公認会計士,税理士。
(5)事業開始における不許認可の条件
建設業,旅行業,警備業
4.成年後見人,保佐人,補助人の資格の喪失
法令による制限はありませんが,実質上は家庭裁判所の介入によって制限されています。
(1)選任にあたっては家庭裁判所の職権によって選任。
(2)解任については関係者・検察官の請求により職権によって解任。
改正前の平成11年法律149号の民法では欠格事由とされていました。
5.任意後見契約による任意後見を受ける場合にはこうした制限,不利益はありません。
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