任意後見と法定後見の関係
後見制度を概観しますと未成年後見制度と成年後見制度があります。未成年者の後見制度が未成年者の後見制度であり,成人の後見制度が成年後見制度です。
成年後見制度は法定後見制度と任意後見制度に分かれます。法定後見制度は民法に定められた後見制度であり,任意後見制度は本人がする契約に基づく後見制度です。
法定後見制度はさらに3類型に分けられます。判断能力の程度により後見,保佐,補助の三類型に区分されます。
任意後見契約はその契約内容により3つに分類されています。即効型,移行型,将来型の三類型です。即効型は契約の効力が契約後すぐに発生するものです。移行型は任意後見契約の効力は将来本人の判断能力が低下したときに発効しますが,判断能力が低下するまでの期間中,身体能力の低下などに備えて事務委任契約を別途結ぶことにより継続して本人の支援を可能にします。将来型は将来本人の判断能力が低下したときに契約の効力が発生する契約です。
任意後見と成年後見との違いは法定後見は法律で定められた後見方法以外はありえないのですが,任意後見は契約であるので受ける後見の内容を自由に決めることができるという点です。後見の内容だけでなく後見人も自分の信頼できる人にすることができます。法定後見では家庭裁判所が職権で後見人を選任することになっていますので,本人の意に染まないこともありえます。
法定後見では選挙権,会社の取締役の就任などについて制限を受けますが,任意後見ではそうした制限は設けられていません。
今日,平成25年3月14日(木)東京地方裁判所において被成年後見人の選挙権喪失は違憲との判決が出ています。次回は法定後見制度における資格制限などについて見てゆきたいと思います。
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