リビング・ウィル(終末期の医療・ケアについての意志表明)
地域会オリーブの会25周年記念の公開講演会 (サポーター養成講座)が2013年5月18日(土)石和温泉郷『糸柳』2階彩華の間で開催されました。オリーブの会とは認知症の人と家族方などで構成されている山梨県支部の地域会のひとつで甲府市,中央市,甲斐市,昭和町に在住の方の拠点です。お問い合わせは055-222-0014大木公子さん(会長)まで。
「認知症治療と介護の最前線:治療薬開発の現状と科学的ケアを目指して」と題して朝田隆氏(筑波大学医学医療系臨床医学域精神医学教授)が講演をなされました。講師の都合により予定時間を大幅にカットしてのお話になってしまい残念でした。
終末医療の胃ろうや延命治療について現場にいる医師としての考えを聞かせて欲しいという質問がありました。講演者の朝田医師は2点について指摘をされました。一点はリビング・ウィルがされた時点の意思が終末期を迎えた今の本人の意思であるのかという点。もう一点は本人の意思が延命を望まないとしても家族・肉親として本人の意思だからといって簡単に割り切れるものではないという事実。
血気盛んな40代の時点での終末医療に関する考え方と80歳代になった今の考え方が違っても不思議ではない。若いときに書いたリビング・ウィルがそのまま有効とするのには無理があります。そこで,年齢の経過にともなって変化していく意思を反映させるために年齢の経過にしたがって意思の再確認をおこなうことによって年齢経過による考え方の変化を反映させる試みがなされています。たとえば次のホームページ http://square.umin.ac.jp/~liv-will/
本人の意思であるからといってそれに従うと割り切れる家族は少ないようです。「もう少し様子を見てからにしましょうか」という言葉に誘われて延命治療の打ち切りの決断が先延ばしとなっていくのが普通だそうです。
リビング・ウィルが日本にもうひとつ根付かないのはこうした理由の他に白人が持つ意思というものに対する考え方が日本人は少し弱いのかもしれません。朝田医師は「白人の強い意志」という表現を使っていらっしゃいました。
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