【民法相続改正】夫が死亡しても夫の家に半年は住み続けられる(配偶者短期居住権)前編

Contents

1.配偶者について

 配偶者というのは夫から見れば妻、妻から見れば夫のことです。
 経済的基盤が弱い配偶者は通常は夫から見た妻となります。この投稿においては、経済的基盤の弱いものの例として妻を使います。
 配偶者というのを妻と読み替えると分かりやすいと思います。

2.配偶者の居住の権利の新設(配偶者短期居住権と配偶者居住権)

 現在の民法の第五編相続第8章遺留分のところに「配偶者の居住の権利」の規定が挿入され、それに従い遺留分の規定は第9章に繰り下げられました。

 配偶者の居住の権利は「配偶者短期居住権」と「配偶者居住権」の二種類があります。

 配偶者居住権とは、夫所有の建物を妻が死亡するまでつまり終身無償で利用できる権利のことです。詳細については、また改めて考えてみたいとおもいます。
 配偶者短期居住権とは、夫所有の建物に住んでいた妻は最低6か月はその建物に住み続けることができる権利です。今回このことについて見ていきます。

3.配偶者の居住の権利が適用される時期

 配偶者の居住の権利((配偶者短期居住権と配偶者居住権)の規定が有効になるのは、西暦2020年4月1日以降です。
 新民法(平成30法72)1028条から1041条が施行されます。

4.配偶者短期居住権の適用

 配偶者短期居住権は2020年4月1日以降に開始した相続に適用されます。つまり西暦2020年4月1日以降に死亡した人の相続について適用され、それ以前に死亡した人の相続については適用されません。

5.まとめ

 長くなってきましたので、今回はここまでといたします。次回の後編として、配偶者短期居住権の趣旨、配偶者短期居住権として主張できる内容、配偶者短期居住権が主張できる条件などについて見ていきたいと思います。

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投稿者プロフィール

神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
山梨県甲府市の特定行政書士。守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れることはありませんので,安心してご相談ください。幅広い範囲のお困りごとに対応しています。お気軽にお問い合わせください。遺言書作成,相続手続の相談,官公署への許認可の相談・申請手続き代理,任意後見・法定後見のご相談,ご契約についてのご相談など。

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