農地の相続の届出は死亡時なのか遺産分割時なのか。
以前に「農地を相続するときには農業委員会の許可はいらないが,農地を相続した相続人は農業委員会への届出が必要」ですと書きました。
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広報でも「農地を相続したら届け出が必要です。」,「相続等によって農地を取得した人は,農業委員会に届け出なければなりません。」「届け出をしなかったり,虚偽の届け出をすると,10万円以下の過料に処せられます。」(全国農業会議所)となっています。
先日,相続をしたらとは相続が発生したときなのか,遺産分割が終了したときなのかという趣旨の質問が目にとまりました。鋭い質問です。
すこし,調べてみました。
農地法には「相続をしたら」という文言は見あたりません。「相続による農地の継承については農地法の許可(3条許可)は不要である」という法律解釈には異論がないところです。
許可不要であっても届け出の義務はあります(農地法3条の3第1項)。農地法3条の許可を受けないでした権利の設定・移動は例外の場合を除いてその農地のある市町村の農業委員会に届けなければなりません。届け出をしなければいけない者(届け出義務者)は「権利を取得した者」です。
権利を取得した時とは
(1)自分が相続人になったことを知った時(通常は被相続人の死亡日)
(2)遺産分割が終了した時
ということになると考えます。
遺言が存在しない場合は農業委員会への届け出を2回おこなわなければなりません。1回目は死亡した時,2回目は遺産分割が終了した時の計2回です。
各市町村の農業委員会のホームページを閲覧しますと「死亡日からおおむね10ヶ月以内に相続人全員の連名で届け出をおこない,遺産分割時に分割後の相続人の名で届け出をもう一度おこなってください」となっています。
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