相続で「財産」を放棄しても「借金」は棒引きにならないこともあるのでご注意。
法律でいう「相続の放棄」は,日常語として使う「相続の放棄」とはすこし意味が違います。
家庭裁判所を通じておこなう「相続の放棄」は「財産の放棄」と「借金の放棄」の両方を含みます。しかし,相続人の話し合いである遺産分割協議においていう「相続の放棄」は財産の放棄だけをいい,「借金の放棄」は含まれません。
相続放棄をしたつもりが,後から亡くなった人の借金を請求されて慌てるということが出てきます。
(1)財産の放棄
これは相続人みんなの話し合いで自由にできます。「兄貴が長男だから俺は何もいらない。相続を放棄するよ。」といえば財産を放棄できます。この話し合いを遺産分割協議と呼びます。
(2)借金の放棄
財産の放棄を遺産分割協議におこなっても,借金を放棄したことにはなりません。貸した人は法定相続割合にしたがってその法定相続人に返済を要求してきます。つまり,遺産分割協議によってできるのは「財産の放棄」だけであって,「借金の放棄」は原則できません。
(3)財産の放棄と同時に借金の返済
家庭裁判所に「相続の放棄」を申し出ることが必要です。亡くなった方のところの家庭裁判所がそれを受理することによって,「財産の放棄」とともに「借金の放棄」ができます。
(4)まとめ
財産だけでなく借金も放棄したいのであれば,家庭裁判所をとおして「相続放棄」の手続をすることが必要です。遺産分割協議で「相続放棄」をおこなっても,放棄できるのは財産だけで借金は放棄できません。
亡くなった人に借金などの負債がない場合であれば,家庭裁判所の審判手続を経ることなく遺産分割協議によって簡単に「事実上の相続放棄」になります。しかし,借金があるかどうか不明の場合などでは,正式に家庭裁判所を通じて「相続放棄」をされることをお勧めします。
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