本人の死亡前の遺産分割協議は有効か

 本人が死亡する前に推定相続人が遺産分割協議をおこない遺産分割協議書を作成した場合にその遺産分割協議書は有効でしょうか。
 具体的には自宅だけを遺産として残して死亡したことを考えてみましょう。相続人は妻とその子3名A,B,Cだとします。
 普通にはここでおこなう遺産分割協議は夫(父親)の遺産分割についておこないます。そのとき母が無くなったときの遺産分割も協議して決めてしまおうということになるかもしれません。
 例えば,(1)父の自宅は母がすべて相続する。そして,(2)その後母が無くなったときには母と同居しているAがその自宅を相続する。B,Cはすでに自分の家を持っているので相続分はゼロとする。という協議がなされることはあるのではないでしょうか。
 (1)の部分は通常の遺産分割ですから有効です。(2)の部分はせっかくの協議ですが効力はありません。紳士協定のようなものですから母親の死亡時には改めてこの協議と違う内容の遺産分割協議をおこなえます。
 とはいえ,全員が揃って協議をした内容ですから事実上協議参加者がそれに拘束され相続紛争の防止が期待できるかもしれません。 
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投稿者プロフィール

神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
山梨県甲府市の特定行政書士。守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れることはありませんので,安心してご相談ください。幅広い範囲のお困りごとに対応しています。お気軽にお問い合わせください。遺言書作成,相続手続の相談,官公署への許認可の相談・申請手続き代理,任意後見・法定後見のご相談,ご契約についてのご相談など。

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