葬儀費用は誰が支払うのでしょうか。

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1.葬儀費用の負担

遺産分割協議のなかで葬儀費用をどのように負担するかで紛争になることがあります。相続財産のなかから出すべきだ,いや,喪主が出すべきだと言い合い,厄介なことになります。

①相続財産から負担する

相続財産-葬儀費用=残余財産
この残余財産をもとに遺産分割協議をするべきだという主張です。

②喪主が負担

相続時の相続財産全部を遺産分割協議の対象にするべきだという主張です。

2.相続財産に関する費用

民法の885条に相続財産に関する費用という条文があります。この相続財産に関する費用に葬儀費用が含まれるかという議論があります。

①含まれるということになりますと,1.の①の相続財産から負担するという根拠になります。
②含まれないということになりますと,1.の②の喪主が負担するという結論になります。

相続財産費用に葬儀費用が含まれるかどうかについて,判例・通説ともに定まったものがない状況のようです。

ちなみに,相続財産とは遺産分割するまでに要した維持・管理費用,固定資産税,遺言執行費用,遺産相続手続に関する行政書士等の報酬などをいいます。

3.慣習・慣例
①香典の収受権とともに葬儀費用は喪主が負担するという慣習。戸主相続の名残ともいわれます。

私の地域では香典の受領は喪主であるとともに葬儀費用も喪主が負担するのが通例です。そして,香典をいただいた方の家に不幸が発生したときには,以前にいただいた香典相当額を香典を受領したその喪主が香典として持参します。これを香典返しといいます。葬儀費用の負担を軽減する互助制度の面を持っていました。

②香典総額と葬儀費用を差引勘定として,その結果がプラスであってもマイナスであってもそれを相続財産とする慣習
4.まとめ

葬儀費用を相続財産に関する費用とするのは,理論的には無理があります。とはいえ,具体的な解決方法としてはもっともな面があります。
そこで,各地方の慣習を考慮し条理に基づき,相続人全員の合意によって決定するべきものだといえそうです。

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投稿者プロフィール

神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
山梨県甲府市の特定行政書士。守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れることはありませんので,安心してご相談ください。幅広い範囲のお困りごとに対応しています。お気軽にお問い合わせください。遺言書作成,相続手続の相談,官公署への許認可の相談・申請手続き代理,任意後見・法定後見のご相談,ご契約についてのご相談など。

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