コラム『「孤独死」をどう防ぐか』を読む
中沢卓実さんは千葉県松戸市にある常盤平団地の自治会長を長年勤め,孤独死を防ぐ活動を続けてきています。現在,NPO法人「孤独死ゼロ研究会」理事長を務めていらっしゃいます。
その中沢さんが『「孤独死」をどう防ぐか』について日本経済新聞の「今を読み解く」の欄に寄稿しています。
孤独死をどう防ぐかの解決策はいたってシンプルであり,「人と人があいさつしあうなどして再び,つながる」ことだとおっしゃっています。私生活の孤立化(無縁化)が孤独死の背景にあるという認識です。中島さんの長い活動が凝縮された言葉だと感じました。
孤独死を防ぐという観点から言えば,「無縁社会」を「有縁社会」に戻せばよいと言うことになります。ただ,単純に元に戻せばよいというわけではないのが難しいところです。
「血縁」,「地縁」を古きものとして遠ざけ,できるだけ世間のしがらみを避けようと「無縁」を自ら望んできた歴史があります。封建的な社会から個人主義的な社会への流れが呼応しています。
「有縁社会」に戻るとしても「個人主義的な有縁社会」に戻ることを目指すのがよいのではないか。今後,私も新しい有縁社会というものについて考えを深めていきたいと考えています。
中沢さんが孤独死を防ぐことを考えるに当たって参考になると薦めている本の一覧を付記しておきます。
橘木俊詔著『無縁社会の正体―血縁・地縁・社縁はいかに崩壊したか 』
一条真也著『隣人の時代―有縁社会のつくり方 』
藤森克彦著『単身急増社会の衝撃』
中沢さん自身にも著作がありますが引用されていませんでした。
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