成年後見人申立ては誰がしてもよいのか(四親等内の親族とは誰のこと)
四親等内の親族というのはどういう人達を言うのでしょうか
「自分の親が認知症になってしまった。定期預金が満期になったが,満期の手続きができなくて困ってしまっている。また,生命保険が満期になったが子供の自分では手続きができないと保険会社に言われた。
成年後見人を立ててほしいと銀行や生命保険会社から言われる。家庭裁判所に申立てればよいと教えられたが,裁判所に成年後見人を決めてくださいとお願いする人は誰でもよいのだろうか。」
そんな悩みをお持ちの方もいらっしゃるとおもいます。以下,四親等内の親族を具体的に考えていきます。
民法第7条に裁判所に申し出ることができる人が決められています。本人,配偶者,四親等内の親族などとなっています。本人というのはここの例で言えば認知症の親のことをいっています。配偶者というのは本人の配偶者のことで,本人が父親であれば配偶者は母親。本人が母親であれば父親が配偶者です。
親戚でも四親等内の親族ができるとなっています。急に四親等内の親族と言われても困ってしまうのが普通です。
裁判所の「成年後見申立ての手引」によると
(1)親,祖父母,子,孫,ひ孫
(2)兄弟姉妹,甥,姪
(3)おじ,おば,いとこ(いとこの配偶者は親族でないので申立てはできません)(4)配偶者の親・子・兄弟姉妹
が主な人達として列挙されています。
この中にはありませんが,兄弟姉妹の配偶者,甥姪の配偶者,おじ・おばの配偶者も四親等内の親族になります。
また,配偶者のおじ,おば,甥姪も申立てができます。配偶者の関係で注意が必要なのは例えば配偶者の甥姪が結婚した相手は四親等内の親族ではないということです。また,配偶者のいとこも違います。
少し整理すると,血のつながっている血族は四親等以内の者とその配偶者が後見開始の審判を請求することができます。ただし,四親等に当たるいとこの配偶者は申立てはできません。
血のつながっていない配偶者の側の姻族は三親等以内の者が後見開始の審判を請求することができます。姻族の関係者の配偶者は姻族ではありません。したがって,申立てをすることはできません。
血族または姻族の親族とは,父方と母方の両方の縁戚者を指しています。父方だけではないのでご注意ください。
民法では今見てきたような人達を親族と考えています。しかし,甥姪の配偶者が親族と言われてもぴんと来ない方も多いとおもいます。ましてや遠方に生活の拠点を構えている甥姪となればなおさらです。
成年後見人の申立てを行うに当たって身寄りの少ない方の申立人を探すのに手間がかかってしまったり,わかっても縁が薄いと言うことで成年後見人申立人になることを断ってきたりすることも少なくありません。こうした場合に備えて成年後見申立てができる人をもう少し広げてほしいと感じることがあります。
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