保険金受取人が相続人のときの相続人の範囲とその受取割合の取扱い

保険金の受取人が特定者の氏名ではなく,たんに「相続人」となっている場合があります。その場合の相続人の範囲死亡保険金受取人間の分割割合について考えてみます。受け取った保険金が相続財産になるかもみておきます。

Contents

1.保険金受取人として指定された相続人の範囲
①契約時の推定相続人か死亡事故発生時の相続人か

保険契約で指定された死亡保険金受取人が,被保険者の保険契約時に想定された被保険者の相続人を指すのか。あるいは,被保険者死亡時の被保険者の相続人なのかについて,判断に迷うところです。

②最高裁判所の判断

これについて,最高裁判所は「被保険者死亡の時における相続人たるべき者を受取人」と判断しました。つまり,「死亡時の法定相続人」が保険契約にしてされた「死亡保険金受取人」だと言うことです。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=57731&hanreiKbn=02
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/js_20100319124434850976.pdf

2.各死亡保険金受取人の受取割合

死亡時の法定相続人が複数いる場合の受取人間の分割割合はどのようになるのでしょうか。各人が同金額を平等に受け取るのか,それとも法定相続割合にしたがって分配するのでしょうか。

①均等割合説
各死亡保険金受取人が平等の割合で保険金請求権を取得するとする説。
②法定相続分割説
各死亡保険金受取人がその法定相続分にしたがって死亡保険金請求権を取得するとする説。

最高裁判所は②の法定相続分割説をとりました。つまり,死亡時の法定相続人が複数いるときには法定相続分にしたがって分けなさいと判断しているわけです。

http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=52492&hanreiKbn=02

クリックしてjs_20100319120854171473.pdfにアクセス

3.受取の死亡保険金は受取人固有の財産

法定相続人が死亡保険金受取人に指定された結果受けとっと保険金は,相続財産には特別の事情がない限り相続財産には含まれません。ただし,相続税法のみなし相続財産になりますので,相続税は課税されますのでご注意ください。

以前のブログもご参照ください
生命保険の死亡保険金は相続財産か
生命保険と特別受益
遺産分割が必要でない財産であっても相続税がかかるものもある

4.まとめ

死亡保険金の受取人を「相続人」とした場合,死亡時の法定相続人が,その法定相続割合にしたがって死亡保険金を受け取ることができます。その受け取った金額は受け取った人の個人の財産ですので,特別な事情がなければ相続財産ではありません。

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投稿者プロフィール

神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
山梨県甲府市の特定行政書士。守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れることはありませんので,安心してご相談ください。幅広い範囲のお困りごとに対応しています。お気軽にお問い合わせください。遺言書作成,相続手続の相談,官公署への許認可の相談・申請手続き代理,任意後見・法定後見のご相談,ご契約についてのご相談など。

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