みんな悩んでいる「老いた親の」捨て方(「週刊現代」を読む)

週刊現代の3月22日号の特集記事,みんな悩んでいる「老いた親の」捨て方,という見出しが気になり購入しました。

目次を見ますと,第一部「親を捨てるか,妻から捨てられるか」,第二部「大丈夫本当はみんな「捨てたいと」思っている」,第三部「共倒れになる前に捨てなさい」と強烈な言葉が並べられています。

この記事は団塊の世代あたりを狙ったものではないかと思われます。この世代の雰囲気を代弁しています。それを雑誌風におどろおどろしい言葉で書き連ねています。

記事の概要は次のようなものです。

(1)団塊の世代がその親を自宅で介護するのは無理であるという主張です。もし,自宅で介護をするという選択をするなら,介護離職,介護離婚,老老介護の現実がのしかかってきます。

(2)親の介護にともなう親子の共倒れを避けるためには「親を捨てる」という選択が大事。みんなが捨てたいと思っているのだし,なにも罪悪感を持つ必要はないのです。当人である親自身も子供の負担になりたくないと希望しています。

(3)親子が同じ家に暮らすのが幸せはというのは勘違い。共倒れを避けるためにも,また充分な介護を提供するためにも親が介護施設に入所して別居するのが賢明です。

記事自身はごくごく常識的な考えを述べています。気になるのは記事には取りあげられてはいませんが,介護施設,介護保険,介護費用のことです。

1)介護保険
介護保険は在宅介護を基本としています。近年はその傾向を強めていています。介護の社会化といいながら,実際的には家庭での介護を当然のものとして前提にしています。

(2)介護施設の絶対数不足
親が入所する施設が不足しています。介護を必要としない時期の老人施設は探せばありますが,手間のかかる介護を提供できる施設は限られています。希望しても入所できることはかなわない状況です。

(3)介護費用の負担
手間のかかる介護には介護保険も含めて多大の費用がかかります。費用が低廉ですむといわれる特別養護老人ホームに入所できるのは,ほんのわずかな運のよい人だけです。

以上のようなことを考えますと,「親を捨てたい」のは山々ですが,「親を捨てられない」ということになりかねません。

親と別居することに子が罪悪感を抱くことがなく,親も子の負担にならずにすむ環境が早く整うことを願うばかりです

        神宮司行政書士事務所 055-251-3962 090-2164-7028

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投稿者プロフィール

神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
山梨県甲府市の特定行政書士。守秘義務がありますので相談したことが外部に漏れることはありませんので,安心してご相談ください。幅広い範囲のお困りごとに対応しています。お気軽にお問い合わせください。遺言書作成,相続手続の相談,官公署への許認可の相談・申請手続き代理,任意後見・法定後見のご相談,ご契約についてのご相談など。

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