<不妊治療>「産んだ女性が母親」

 

親子関係については、1962年に最高裁が「産んだ女性が母」とする判決を出し、法務省法制審議会も2003年、不妊治療で生まれた子について「産んだ女性が母」とする中間試案を示した。07年には、最高裁がタレントの向井亜紀さんと、代理出産で生まれた双子との母子関係を認めない判断を示した。また、最高裁は13年、性同一性障害で女性から男性に性別変更した夫が、第三者の精子提供を受けて妻が出産した子を嫡出子(法律上の子)と認めた。今回の法案はこれらの判例や過去の議論に沿った内容となった。

<不妊治療>「産んだ女性が母親」自民部会が特例法案了承 (毎日新聞) - Yahoo!ニュース
(上記リンクは削除され,リンク切れとなってしまいました)

Contents

1.不妊治療と生まれてくる子どもの身分

自民部会が特例法案を用意して,この国会に提出を目指すようです。
詳細はわかりませんが,過去の判例,議論が反映された法案になっているようです。

骨子は「生んだ女性が母親」です。
以前に「子どもがほしいご夫婦の生殖医療の類型」という記事を書きました。その記事を「生んだ女性が母親」という基準でもう一度検討してみようと思います。

2.生殖医療の類型と子の身分

(1)不妊の原因が妻側にある場合

①精子は夫,卵子は妻以外の女性,妻が出産

この場合は生まれた子の母親は妻となります。父は夫。
嫡出子としての届出が可能です。
衆議院議員の野田聖子さんのケースがこれにあたります。

②精子は夫,卵子は妻,妻以外の女性が出産

この場合は生まれた子の母親は妻以外の女性となります。父は夫。
特別養子縁組が必要になります。
タレントの向井亜紀さんのケースがこれにあたります。

③精子は夫,卵子は妻以外の女性,妻以外の女性が出産

この場合は生まれた子の母親は妻以外の女性。父は夫。
特別養子縁組が必要になります。

(2)不妊の原因が夫側にある場合

①精子は夫以外の男性,卵子は妻,妻が出産

この場合は生まれた子の母親は妻。父は夫とする。
嫡出子としての届出をします。

(3)不妊の原因が夫婦双方にある場合

この状況は今回の法案では想定していないようです。
原則論で類推すると以下のような取扱になるのではないかと考えます。

①夫以外の精子,妻以外の卵子,妻が出産

この場合生まれた子の母親は妻。父は夫。
嫡出子としての届出をします。

3.まとめ

この法案が成立すれば,生まれてくる子の身分関係が安定するのではないかと期待されます。
ニュースの記事にもあるように,代理出産を認めるのかなど,不妊治療のルールの法制化残されたままで,先送りされるようです。

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神宮司 公三
神宮司 公三神宮司行政書士事務所所長
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